Miyako(DEZERT) SPECIAL INTERVEW(後編)

11月 15, 2024

2024年、満を持してのメジャーデビューを果たした4人組バンドDEZERT。『The Heart Tree』に続いてアルバム『傑作音源集「絶対的オカルト週刊誌」』もリリースするなど、来たる12月27日の日本武道館公演に向け彼らは多忙な日々を送っている。2015年に加入して以降、さまざまな音楽スタイルを取り入れDEZERTの独自のサウンドを深化することに多大なる貢献をしてきたギタリストのMiyakoは、そんなバンドの現状をどう見ているのだろうか。ジャクソンのPRO PLUS SERIES RHOADS RR24 MIRROR(以下:RHOADS RR24 MIRROR)を手に語ってもらった。

 

僕が感じたものを、初心者の方にもぜひ体感してもらいたい

 

― バンドの中で、Miyakoさんのギターの役割についてはどう感じていますか?

 

DEZERTはギターがメインになることが多いバンドなんです。ヴォーカルの千秋はギターで作曲することが多く、レコーディングでもドラムを録ったあとにギターを先に入れることがよくあって。そうすると、ギターが曲の印象をかなり左右するんですよね。そのぶん、いろんなアプローチやフレーズが求められます。必然的に自分の役割は、そういう多彩な楽曲を支え、さらに魅力的なものにすること。常に新しいフレーズを研究しながら自分の引き出しを増やしていき、曲に華を添えられるよう日々成長を目指していますね。

 

― ライヴではさまざまなギターを使い分けているそうですね。

 

ライヴだけでなくレコーディングでも手持ちのギターをすべて試していますよ。ギターは形や種類によって弾き方もまったく変わりますし、それぞれの持つ特性を引き出す弾き方がある。ギターのポテンシャルももちろん大事ですが、もっとも重要なのはプレイヤーのアーティキュレーションだと思っています。弾き手次第で音が変わる楽器だからこそ、各ギターに合った弾き方を自分なりに研究しているんですよね。

 

― 今年はメジャーデビューも果たし、『The Heart Tree』に続いてアルバム『傑作音源集「絶対的オカルト週刊誌」』もリリースされました。多忙だったと思いますが、振り返ってみてどう感じますか?

 

リリースもそうですし、ツアーもあって非常に充実していました。成長を感じると同時に、スランプやプレイに行き詰まる瞬間もあり悩んだことも多かったです。成長したぶん、自分の思うようにプレイできない場面も増えてきたんですよね。とはいえ、くよくよしてもいられない。次の週にはまたツアーがあるし、少しでも成長した自分でステージに立てるよう気持ちを整えていました。

 

― なるほど。

 

僕だけじゃなく、メンバーも同じように成長しているのを感じていましたね。SORAくんのドラムもどんどん良くなっていたし、Sacchanのベースも厚みを増していき、千秋くんのヴォーカルもさらに力強くなっていました。“こんなところで自分だけ落ち込んでいられない、もっと頑張らないと”と思わされるツアーでしたね。

 

Miyako Special Interview 04

 

― 来たる1227日にはいよいよ武道館公演が控えています。

 

今はその武道館に向けて一歩一歩を大事にしているところです。特別な意味のあるライヴになるのはもちろんですが、今歩いている道の先に武道館があると思っていて。そこに立つために新しいことをするわけではなく、これまでと同じようにしっかりと準備を重ね、一歩ずつ進んでいこうと思っています。もちろん大きな会場ですが、気持ち的にはこれまでと同じように、各会場で大切にしてきた気持ちをそのまま持って臨みたいと思っています。

 

― バンドにとっても、ひとつの通過点というイメージですね。今年リリースされた2枚のアルバムは、武道館ライヴに向けて初めてDEZERTを聴く人にも楽しんでもらえるように作られたとか。

 

そうですね。武道館のセットリストはまだ決まっていないですが、確かに当時は“この2枚を聴いてもらえれば、武道館でも楽しんでもらえる”というイメージで作りました。昔からのファンも、初めてDEZERTを聴く方も、それぞれが楽しめるような曲を選んでいます。

 

― メジャーデビューを果たして、周囲の反応やご自身の音楽に対する向き合い方には変化がありましたか?

 

父親がすごく喜んでくれたのは嬉しかったですけど、自分たちとしては“メジャーデビューだからすごい!”という感じはそれほどなくて。これは僕らの世代だからかもしれませんが、昔はもっとメジャーデビューの価値が大きかったと思うんですよ。でも、周りのバンドを見ていると、メジャーに行ったからと言って何かが劇的に変わるわけでもなくて。最終的にはそこでサバイバルしていかないと生き残れないのが現実ですよね。

 

― 確かにそうかもしれないですね。

 

もちろん、気は引き締まります。メジャーシーンに出て、他のアーティストと肩を並べて活動する以上、自分たちもプロとして戦っていく覚悟が必要ですし、“バンドは生きるか死ぬか”だと思っているので解散してしまえばそれで終わり。そう考えると茨の道を選んだ気もしますが(笑)。

 

― 今後、バンドとして個人として挑戦してみたいことや新たな展望はありますか?

 

もっと幅広い音楽に挑戦してみたいですね。最近は、得意なフレーズの作り方が定着してきた感じもあって、ある意味では自分のスタイルができてきたと思っています。“DEZERTのギター=Miyakoはこういうフレーズだよね”という感じで少しずつ自分のスタイルが認識されてきたのは嬉しいこと。そこは伸ばしつつ、さらにフレーズやスタイルの幅を広げたい。今こうしてジャクソンをメインギターとして使うことで、これまでと違うフレーズが自然と出てきそうな気がしています。このジャクソンは、相棒として新しい自分を引き出してくれる期待を持っているギターですね。

 

― では最後に、今からギターを始めたいと考えている人へメッセージをお願いします。

 

今これを読んでいる方で、もし“ギターを始めたい”と思っている人がいたら、ジャクソンのRhoadsを持って鏡の前に立ってみてほしいですね。初心者だからとか、僕が20年弾いているとか、そういう経験は関係なく、持った瞬間に感じる衝動があると思うんです。僕が感じたものを、初心者の方にもぜひ体感してもらいたいですね。

 

― ギターを手にした時のテンションも大切ですよね。

 

そう思います。ギターを持つだけでテンションが上がれば、練習も苦にならない。自分が“かっこいい”“持ちたい!”と思えるお気に入りのギターを持つことが、音楽を続ける上で何よりのモチベーションですから。

 

Miyako Special Interview 05

PRO PLUS SERIES RHOADS RR24 MIRROR

 


 

DEZERT

千秋(Vo)、Miyako(Gt)、Sacchan(Ba)、SORA(Dr)からなる4人組ロックバンド。2011年9月、千秋とSacchanを中心に結成。当初は大々的なプロモーションを行っていなかったが、グロテスクな表現の中に人間が抱える痛みや闇が落とし込まれた歌詞が共感を呼び、圧巻のライヴパフォーマンスが口コミで広まり、熱狂的なファンを多く獲得。2018年には新レーベル“MAVERICK”よりアルバム『TODAY』を、2019年にはアルバム『black hole』をリリース。さらには自身初となる全国ホールツアーを遂行し、夏には大型野外フェスにも初出演を果たす。2024年1月に日本クラウンよりメジャー1stアルバム『The Heart Tree』をリリースし、4月にデジタルシングル「The Heart Tree ~unplugged selection~」、9月にベストアルバム『傑作音源集「絶対的オカルト週刊誌」』をリリース。さらに12月27日、日本武道館にて〈DEZERT SPECIAL ONEMAN LIVE at NIPPON BUDOKAN「君の心臓を触る」〉を開催する。

https://www.dezert.jp