reiki(キズ)SPECIAL INTERVEW(前編)
3月 21, 2025

今年1月に日本武道館公演を行った4人組ヴィジュアルロックバンド・キズは、間髪入れず3月には日比谷野音公演を敢行したばかり。怒涛の勢いで大舞台を踏んでいくバンドをギターで牽引するのはreikiだ。小学生の頃、X JAPANのライヴビデオを観て衝撃を受けたことをきっかけにギターの道を突き進むことになる彼は、独特なスタイルで自らの存在を確立していくことになる。前編では、キズにおけるギターの役割やX JAPAN以外から受けた影響にはじまり、今回初めて手にしてもらったジャクソンのAmerican Series Virtuoso™ HTのインプレッションや今後の目標を聞いた。家で練習をすることなく、現場で技術を磨いていった彼がギター初心者へ向けたアドバイスとは― 。
ギターはいいですよね。オタクにもなれるし、変態にもなれるし、ヒーローにもなれるし、マジで何にでもなれる
― キズというバンドにおけるギターの役割はどういうものなんでしょうか。
reiki キズはストリングスとか同期を多用する音楽ということもあって、ギターの居場所がけっこう難しくて苦戦してますね。ギターはストリングスと同じ弦楽器なんで。
― 帯域も被りますもんね。
reiki そうですそうです。だけど、ギターが入ることでヘヴィにしたいとは思っています。最初の頃よりも同期が増えているので、本当に難しいんですよ。だから、フレーズよりも音色のほうを意識しているかもしれないですね。バッキングなんだけど色があるというか。コードのテンションとかで色をつけてるのかなあ。
― 確かに、音源を聴いているとそれはすごく感じます。では、パフォーマンス面はどんなことを意識していますか?
reiki パフォーマンスに関しては正直、何も考えてなくて。その時その時の気持ちに従ってやってるだけなんで、何やってもいいと思ってます。
― 最初にX JAPANのビデオを見たことによって、reikiさんのギタリスト人生が始まってるわけですけど、それ以降に見てきたもので影響を受けたライヴはありますか?
reiki たぶん、ストーリー・オブ・ザ・イヤーのライヴ映像から影響は受けたかもしれない。アグレッシヴな動きとか。やっぱり、危なっかしいのは見ててドキドキするじゃないですか。
― やっぱり、“危なっかしさ”というのはreikiさんにとってわりとキーになってるんですね。
reiki そういうのが好きなのかもしれない。
― その点で言うと、reikiさんにとってパンクってどうなんでしょう。
reiki パンクはそんなに追ってないんですけど好きです。パンクはキレイでカッコいいですよね。髪の毛を触っただけで怒ってきそうじゃないですか。(笑)
― あはは!
reiki そういう美意識があるカルチャーが好きです。音楽的にはあんまり詳しくないですけど、セックス・ピストルズとかは聴いてました。だらしなくていいいやっていう姿勢が好きです。あと、心がキレイそうなところもすごい好き。美意識が高くてこだわりが強いじゃないですか。ああいうビジュアルからは影響を受けてますね。
― そのほかのジャンルから影響はありますか?
reiki 僕はヒップホップとかサイトランス聴きますし、テクノも聴きますし、なんでも好きです。ベタですけどアンダーワールドとか。やっぱ、ライヴ観たいっす(笑)。
― あはは! ファンなんですね(笑)。
reiki ファンです。テクノにハマったきっかけはレディオヘッドの『キッドA』で、そこからいろいろと聴いてますね。
― そういう音楽が自分のプレイに影響を与えていたり?
reiki ああ、確かに。ルーツがメタルだから前はリフをよく弾いてたけど、今はループのフレーズをよく使うようになったかもしれない。
― 今、シンパシーを感じるアーティストっていますか?
reiki うーん…正直、いませんね。きっとどこかにいるんでしょうけど常に探してます。自分はフェーズによっていつも好みが違うんで。“これ面白そう。”そうやって消化していってる感じ。
― 常に進化していたい。
reiki 進化というより、変化していたい。すぐに飽きたり目移りしちゃうんですよ。“いいな、これ”って。
― 常に刺激的な状態に自分を置いておきたいという感じですかね。自分の完成形を求めていないというか。
reiki あ、求めてません。まあ、完成形が一つあればまた違ってくるんでしょうけどね。その時のマインドによって好みが変わるんですよ。落ち込んでる時に自分はテクノは聴かないし。
― じゃあ、テンションによって持ちたくなるギターも変わる。
reiki それはめっちゃあります。アコギはあまり弾かないけど、ストラトも弾くし、ドラゴンフライみたいなものも弾きます。だから、今回ジャクソンを弾かせてもらえたのは本当に嬉しいです。
― ジャクソンギターに対してどういうイメージがありましたか?
reiki やっぱ、リンプ・ビズキットのウェス・ボーランドのKing Vがカッコいいですよね。上京した時に試奏したことがあります。すごく攻撃的で、リフを弾くギターっていう印象だったかもしれない。今はVを持ってみたいと思うけど、当時は自分が弾くものではないっていう感じでしたね。ギターに負けそうというか、持たされてる感じがしそうというか、謎に抵抗ありましたね。(笑)
― 今回American Series Virtuoso HTを弾いてみてどうですか?
reiki Vじゃないっていうこともあるけど、思ってたのと全然違いましたね。キズにはヘヴィな曲もあればクランチ寄りのバッキング重視みたいな曲もあるから、どっちにも使えそう。ローチューニングでも全弦が聴こえるのがいいですね。弾きやすいです。今後、弾くものが変わりそう。僕はピックアップをけっこう使い分けるタイプなんですけど、ミックスもいいですね。僕は今回、白を選んだんですけど、赤も迷ったんですよ。
― すごくシンプルですよね。
reiki うん、あとはヘッドがすごいカッコいい。これはジャクソンだけですよね。ポジションマークが蓄光で、暗いところで光るのもいいです。ステージ上は暗いんで(笑)。
― 普段、ギターを選ぶ時、見た目以外に気にするのはどこですか?
reiki 軽さは確認するかもしれないですね。あと、僕はローチューニングなんですけど、7弦ギターを使ったことがなくて6弦で無理やり下げてるんで、レギュラーチューニングと鳴りが違うじゃないですか。そこは意識しているかもしれない。太い音よりも、ミッドハイ寄りの鳴りのものを選んでますね。
― これはキズのライヴで自分が使っている姿が想像できる感じですか。
reiki できます! 使わせてください。
― さっき、初めて手にした瞬間から気に入ってましたよね。
reiki 一度持ったらすぐ気に入っちゃうんですよね。
― 自分なりの美意識は持っているけど、やっぱり一度持つと気持ちが入っちゃうんですかね?
reiki え~、恥ずかしいですけど、そうかもしれない…。
― あはは! キズの活動としては1月に日本武道館公演、3月に日比谷野音公演という怒涛の展開です。
reiki うちらはライヴが少ないんで、どんなライヴも自分としては特別なんですよね。その日のために生活しているような感じ。なので、野音も武道館の時と正直、あんま変わらないんですよね。
― それはもう、武道館や野音に限らず、それまでのライヴも全部特別。
reiki ですね。当たり前ですけどね。まあ、やっぱり武道館はいつもどおりにはならなかったけど、武道館だから、みたいな特別な気持ちはなかったです。
― ステージに臨む気持ちとしてはいつも同じ。
reiki 同じでなきゃ。
― 実際に武道館に立ってみて感じたことはありましたか?
reiki いや、それが覚えてないんですよ(笑)。一瞬で終わっちゃった感じがしたし、何かを感じるような余裕はなかったかな。
― reikiさんにとってライヴというのは常にそうなんですね。
reiki そうです。だいぶ好きっすね。
― 中学生の頃からステージに立ち続けていて、ステージで成長しているんですもんね。では、ここ数年、ステージにおけるご自身のプレイヤーとしての変化は感じますか?
reiki うーん…音を聴きながらライヴするようになったかも(笑)。僕、ヤバい時は音を聴いてないんで。というか、意識しなくなっちゃうんですよね。
― 今後、どんな活動をしていきたいですか?
reiki バンドとしてはまず、もう1回武道館でやりたいです。あと、来夢(Vo,Gt)も毎回違うテイストの曲を作ってきて、ファンもそれを楽しみにしてると思うんで、それを変わらずやっていきたい。ギターでも自分が今までやってこなかったテイストを研究したい。それくらいですかね。
― 最後になりますが、ギターを始めたばかりの多くの人は“上手くなるためには練習しなきゃいけないよね…”と思ってるはずです。だけど、このインタビューを読んで、“こういう形でもいいんだ!”と希望を持つんじゃないかと思うんですよ。
reiki いや、ダメ! ギターは練習しなさいよ(笑)。本当にそう思う。
― じゃあ、初心者の方にアドバイスをするとしたら…。
reiki 練習しろ(笑)! いや、マジで練習はしたほうがいいと思います。でも、ギターはいいですよね。オタクにもなれるし、変態にもなれるし、ヒーローにもなれるし、マジで何にでもなれるっすよ。しゃべらなくてもいいし。ギター、好きっす。ギターはその時の気持ちが一番出ると思う。人と話をする時はどうしても言葉を選ぶけど、ギターは握りの強さとかビブラートとかニュアンスレベルでまっすぐに感情が出てくる。それがカッコいいと思います。
― 言葉よりもギターのほうが自分の感情を表現できるくらい。
reiki どちらかというと。言葉はマジ苦手です。なんなら嫌いですね(笑)。
写真:American Series Virtuoso™ HT
キズ
2017年結成。メンバーは、来夢(Vo,G)、reiki(Gt)、ユエ(Ba)、きょうのすけ(Dr)。2017年に池袋EDGEで初ワンマン〈1st ONEMAN「失敗」〉を開催。5月に1stシングル「おしまい」をリリース。同年秋には初の主催ツアー〈共喰イ〉を行う。2018年5月、恵比寿LIQUIDROOMにて行われた〈3rd ONEMAN「怨ミ晴ラサズオクベキカ」〉のチケットが即完。その後も強烈なパフォーマンスと話題性で注目を集め、着実にファンを獲得していく。2021年、結成4周年企画としてYouTubeで動画企画「一撃」を配信し、ガラ(メリー)、逹瑯(MUCC)、NOBUYA(ROTTENGRAFFTY)、大森靖子、SHINといったアーティストたちと共演。2024年、上海や台北を含むアジアツアー〈キズ ASIA TOUR Bee-autiful World〉を開催。2025年1月には初の日本武道館にてライヴを行う。4月9日に新曲「R/E/D/」をリリース。
ーRELEASEー
2025.4.9 RELEASE
LIVE DVD『キズ 単独公演「焔」2025.1.6 日本武道館』
【完全生産限定盤】
DMGD-042/043 [DVD+CD] ¥18,000(tax in)
*オリジナルBOX仕様
*ランダム裏ジャケット(全4種より1種封入)
*フォトブックレット60P
*動画配信視聴コード封入(メンバー副音声ライブ映像/期間限定)
[DISC-1 DVD] キズ 単独公演「焔」2025.1.6 日本武道館
[DISC-2 CD] SINGLE「R/E/D/」
【通常盤】
DMGD-044/045 [DVD+CD] ¥7,700(tax in)
[DISC-1 DVD] キズ 単独公演「焔」2025.1.6 日本武道館
[DISC-2 CD] SINGLE「R/E/D/」
[キズ]
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