TSUBASA(Paledusk) SPECIAL INTERVEW(前編)
7月 5, 2024
メタルコアの新世代を代表するバンドとして、めきめきと頭角を現してきた福岡の4人組、PaleduskのギタリストTSUBASAのスペシャルインタビュー。今回、試奏してもらったPRO PLUS DINKY® DK MODERN EVERTUNE® 7(以下:DK MODERN EVERTUNE 7)は、初めてジャクソンギターを手にしたTSUBASAにとって、ある意味、理想のギターだったようだ。ディテールにこだわりながら語ったインプレッションは、バンド活動する以前はギタークラフトマンになることも考えたというTSUBASAならではだ。
ジャクソンはメタル以外もこなせる器用さを内包している
― TSUBASAさんが音楽に目覚めたきっかけは?
母がピアノの先生なので、子供の頃からピアノの音を聴く機会も多く、両親が車でかけていた音楽を僕も一緒に聴いていて。そのせいなのか、幼稚園に通ってる頃にはCDを聴きながらリアルタイムでハモッていたそうです。母から音楽のセンスがあるって言われて、最初はピアノをやっていたんですけど、高校に入学したタイミングで軽音楽同好会に入って、そこで友達がギターを弾いているのを見て、この楽器めちゃめちゃ楽しそうって思ったんです。
― どんなところが楽しそうに見えたんですか?
自由だなと思ったんです。チョーキングとかビブラートはピアノにはないですから、そこに真新しさを感じて試しに弾いてみたら実際に楽しくて、ギタリストとしての僕の人生が始まりました。
― 最初はどんな練習を?
好きな曲をコピーしまくりましたね。中学、高校とゲームにもハマってたので、ゲーム音楽のサントラを聴きながらギターでコピーするのが始まりでした。最初から難易度が高い曲ばかり弾いていたからか、上達はかなり早かったと思います。そこからどんどんギターにのめりこんで、高校2年生の時にはギターのピックアップを自分で替え始めて。
― それは自分が出したい音を出せるようにするためにですよね?
そうです。このギタリストの音、すごくかっこいい。それはこのピックアップを使っているからなんだって。例えばGRANRODEOのe-ZUKA(飯塚昌明)さんのギターがすごく上手いと思ってコピーしまくってたんですけど、e-ZUKAさんのギターにセイモアダンカンのピックアップが載っていると知って、それを自分のギターに載せたら近い音を出せるんじゃないかと。その頃から、いろいろなバンドの楽曲を聴くようになったんですけど、その中で初めてヘヴィな楽曲を意識しながら聴いたのがcolodrain。それが僕のメタルを含めたラウドロックとの出会いでした。そこからペリフェリーに出会って、海外のメタル、めちゃめちゃカッコいいってなったんです。
― これまでジャクソンのギターにはどんな印象を持っていましたか?
メタル向けのギターというイメージがありました。それこそペリフェリーのギタリストのミーシャ・マンソーのシグネイチャーモデルJUGGERNAUT(MISHA MANSOOR JUGGERNAUT)の印象がすごく強かったですね。実は僕が初めて買ったギターって、形がカッコいいというだけで選んだ変形ギターだったんですけど、ジャクソンKELLYのシェイプを見て欲しいと思ったこともあったんです。
― そんなTSUBASAさんに本日はDK MODERN EVERTUNE 7を弾いていただいたのですが、候補がいくつかある中からこのギターを選んだ理由は?
けっこう見た目はギラついているんですけど、トータルのスペックを見た時に、ライヴシーンの最前線でギターを弾いている人でも宅録している人でも、どんな人でも使える万能機だと思ったんです。あとは、ブリッジにエバーチューンが載っていること。これまでエバーチューンが載っているギターを持ったことがなかったので、それは決め手としてかなり大きかったです。
― エバーチューンはチューニングが狂わないことを売りにしているそうですね。
そうです。ライヴ中、僕らかなり動くんですよ。だから僕はチューニングの回数が多くて、ほぼ1曲ごとにチューニングするんですけど、チューニングが狂いづらいのは武器の一つとして大きいと思います。
― 実際に弾いてみていかがでしたか?
ユーザー目線にかなり立っているギターだと思いました。もちろんエバーチューンもですけど、ネックがメイプル、ウェンジ、メイプルのスリーピースというところもそう。メイプルもウェンジも硬い木材じゃないですか。つまり、ネックがかなり反りづらいように作られていると思うんですよ。調べてみたら、カーボングラファイトも入っているみたいで。Paleduskは海外ツアーも多いんですけど、ツアーに使うトレイラーの中の環境って劣悪なんです。直射日光が当たることもあるし、湿気でジメジメしているところもある。このネックなら、そういう環境でも反りづらいんじゃないかという印象があります。ネックを調整する時も、フロントピックアップのところでトラスロッドを回せるからメンテナンスもしやすい。メンテナンスと言えば、エバーチューンもたくさんのツールを使わずにレンチ1個で弦高や張力の調整ができちゃうんですよ。エバーチューンってブリッジとしては重たいんですけど、このギターはボディがバスウッドだから重量もそこまで気にならない。ステージで演奏していても、肩が痛くなることもそんなにないんじゃないかな。しかも、バスウッドでありながら軽い感じの音では全然なかったです。あと、メタル一直線っていう感じのギターだったら、このフィッシュマンのFluenceってピックアップもオープンコアじゃなくて、モダンっていうシリーズを使うと思うんですけど、それを使わずにオープンコアを使っているってことは、それこそオールラウンドで使えるギターを考えているのかな。実際、弾いてみてもかなり素直な音が出るし、ピッチのブレも少ないから、レコーディングでかなり役立ちそうです。
― 音の印象について、もう少し聞かせてください。
音の芯が詰まっているというか、弦1本1本の音の輪郭がしっかり立っている。だから複雑なコードを鳴らしても、和音の構成というか、どういうコードを鳴らしているのかが伝わりやすい、濁りのない音を提供してくれるギターだと思いました。
― レコーディングでかなり役立ちそうだとおっしゃっていましたが、どんな場面で使えそうですか?
それこそバッキングフレーズですね。レコーディングの時、バッキングギターをステレオで鳴らすんですけど、レコーディング中にチューニングが狂うってあるあるで、ステレオで鳴らす2本の統一感を出すために、ピッチの整い具合ってすごく重要なんです。そこがかなりクリアだから、より一層、壁のような音を演出してくれそうです。それとギターによっては、リアピックアップがブリッジから離れていることがあるんですけど、そうするとリアピックアップらしい音が出ないというか。でも、DK MODERN EVERTUNE 7はしっかりブリッジに近い位置にリアピックアップが付いているし、ブリッジの位置がエンドピン寄りだから、26.5インチって少し長めのスケールなんですけど、25.5インチのギターに慣れていた人が少し長めのスケールのギターを持つ入口としても違和感がないんじゃないかなと感じました。左手があまり遠い感じがしなさそうです。初めて7弦ギターを持つ人にもオススメですね。
― ライヴではどんな場面で使えそうですか?
ワンマンですね。演奏時間が長いと、重たいギターはどうしても肩が疲れるんですよ。今、メインで使っているギターはけっこう重めなので、肩を休めたいタイミングに使ったらいいかもしれない。このギターを使っている友達のギタリストもけっこういるんですよ。ポラリスってオーストラリアのバンドのサポートギタリストのジェシー・クロフツがこのギターを使っていて、一緒にツアーした時に“これ、どうなの?”って聞いたら“すごくいいぜ”って言ってました。ジェシーはめちゃめちゃギターが上手いんですよ。スピーディなプレイも何でもこなせるプレイヤーが使っているギターってことは、やっぱりある程度弾きやすいんだろうと予想はしていたんですけど、実際に弾いてみたらかなり弾きやすくて。ネックが思っていた以上に薄くて、ハイポジションもすごいスリムですよね。そこもいいポイントの一つだなと思います。
― ギラついた見た目とおっしゃっていましたが、ルックスについては?
好きですね。ラメも散りばめられていて、カラーバリエーションがもっとあってもいいと思います。
― さて、今回DK MODERN EVERTUNE 7を弾いてみて、メタルのイメージが強いとおっしゃっていたジャクソンギターの印象は変わりましたか?
かなり変わりました。メタル以外もこなせる器用さが、そのメタルっぽいビジュアルの中に内包されていることを弾きながらすごく感じましたね。
PRO PLUS DINKY® DK MODERN EVERTUNE® 7
Paledusk
KAITO(Vo)、DAIDAI(Gt)、TSUBASA(Gt)、BOB(Dr)によるロックバンド。2015年より本格的にライヴ活動を開始。同年6月に1st EP『obsidian』をリリース。2017年、ペリフェリーの来日公演にてサポートアクトを務める。2019年から海外での活動も精力的に行い、スペインやドイツなど大型フェスにも多数出演。2024年7月より〈Paledusk pre. LOVE YOUR PALEHELL FINAL SERIES〉を全国5ヶ所にて開催。ファイナルは8月2日(金)福岡BEAT STATION。
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