reiki(キズ)SPECIAL INTERVEW(後編)
3月 28, 2025

初の日本武道館公演と日比谷野音公演を終え、新たなフェーズへと突入した4人組ビジュアルロックバンド・キズのギタリストreiki。X JAPANのライヴビデオに衝撃を受け、音楽の道を志した彼は、びっくり箱みたいなギタリストになりたいとライヴハウスという現場で技術とオリジナリティを磨いていったのだった。後編では、X JAPANとの出会いから始まる音楽遍歴にスポットを当て、話を聞いた。人と同じであることが嫌だった彼が、“音で人を感動させたい”と思うようになるまでを追う。
僕は人を驚かせることが好きだから、びっくり箱みたいなギタリストになりたかった
― reikiさんは当然、ギターはお好きだと思うんですけど、それはどういうタイプの好きですか? 造形物として好き、という方もいますが。
reiki 確かに、演奏するのが好きとかいうよりも、造形物として好きかも。車とかバイクと同じ感じ。カッコいい木材。
― どんなところにカッコ良さを感じます?
reiki (形が)鋭いというか…何て言うんだろうな…不思議ですよね…。“強そう”というのとは違うけど、ロマンがあるというか…。
― 持っているだけで強くなれそう、みたいな。
reiki 間違いないですね。武器みたいな感じです。
― まず、reikiさんの音楽歴を辿っていきたいのですが、音楽の目覚めはいつですか?
reiki 小学生の高学年ぐらいですかね。それまで音楽には全然興味がなかったんですけど、X JAPANのライヴビデオ『Blue Blood Tour爆発寸前GIG』を見て好きになりました。でも、当時は音楽が好きになったというよりも、“ああいうもの”が好きになったというか。バンドというか“悪者の集団”みたいな、見ちゃいけないものに惹かれて。
― 音楽もバンドも危うさも全部一緒にやってきたんですね。
reiki 確かに、一気に来た。
― そもそも、小学校高学年の子供がどうやってX JAPANのライヴビデオを見ることができたのか気になります。
reiki 友達の家に遊びに行ったら、その友達のお母さんがhideさんのファンで、その時にたぶんビデオを流してくれたのかな? あまり覚えてないですけど、それを見て衝撃を受けて、家に帰ってから自分でいろいろ調べました。それまでは嵐とかAqua Timezが周りで流行ってたような気がするけど、正直、全然興味がなくて、失礼な話ですけど。バンドというものも知らなかったんですよね。
― だけど、X JAPANは一発でガツンとヤラれた。
reiki 雷が落ちたっすね。
― そこからどうなっていくんですか?
reiki hideさんに惹かれて、地元の楽器屋さんでギターを買ってもらいました。当時、水泳とか野球をやっていたんですけど全然続かず。でも、ギターは今でも続いてるんですよね。
― hideさんのどこに惹かれたんでしょう。
reiki 目立とうとしてないのに一番目立っているところ。あとは、何をするかわからない雰囲気がすごく印象的で。たぶん、その感じに惹かれたんじゃないですかね。
― その時に手にしたギターはどんなものだったんですか?
reiki 赤いStratocasterじゃなかったかな? でも、全然弾かないっていう(笑)。
― え?
reiki X JAPANを知ってから、ジューダス・プリーストみたいなスピード系のメタルを聴くようになったんですけど、「ペインキラー」のコピーができな くて、しばらく飾ってたんですよ。
― あはは! いきなり「ペインキラー」は無理ですよ(笑)。基礎から練習しようとは思わなかったんですか?
reiki それが思わなかったんですよね。でも、中3ぐらいでバンドを組んでライヴをすることが決まってから、ちゃんと弾くようになりました。
― 中学生でバンドをやる機会ってあまりなさそうですけど。
reiki まだライヴをしたことがない時に、おばあちゃんと一緒にとあるライヴハウスまで行って、ライヴハウスの事務所をノックしたのを覚えてます。“ライヴしたいんですけど”って。おばあちゃんが、“先に挨拶をしたほうがいい”って言うんで。で、バンドメンバーはmixiかなんかで見つけて、年の近い人たちとコピーバンドを始めました。イン・フレイムスとかハマってた。
― イン・フレイムスですか(笑)。
reiki ライヴハウスの店長がメロデスのファンで、CDが詰まった段ボールを借りたんですよね。“これ、聴け!”って言われて。あと、ビジュアル系のコピーバンドもしました。the GazettE、DIR EN GREY、girugameshとかだったかな?
― よくメンバーが集まりましたね。
reiki ああ、確かにそうですね。なんでだろうな。そのあと、ライヴハウスで知り合った人と高1の時にオリジナルバンドも組みました。でも、すぐ上京しちゃって。
― それは音楽のために?
reiki そうです、バンドをするために。当時、僕は17歳だったんですけど、実家を出て行きたかったんですよ。自分1人だったら上京しようとは思わなかったと思うんですけど、東京のバンドマンから誘われたんですよ。で、上京したっす。
― そうなると、最初にギターを買ってもらった時にちゃんと練習しなかったことを後悔するんですね。
reiki その後悔は今もしてます(笑)。
― あはは! じゃあ、自分の中でバンドに対する気持ちが高まっていくにつれて、ちゃんと練習するようになっていくんですね。
reiki いや、練習を通じてというよりも、ライヴをすることで弾けるようになっていった感じかな。基礎の練習をするようになったのは本当に最近ですね。“したほうがいいんだろうな”って。
― 現場で学んでいくスタイル。
reiki 地元にいた時からそうでした。やっぱり、家だとライヴみたいに弾けないじゃないですか。だけど、ライヴをしていくうちに、“あ、前より弾けてんな”みたいな感じだったかな。あとは、リハでスタジオに入った時とかに年上のメンバーから教えてもらったり。
― けっこう珍しいパターンですね。
reiki 本当にそう思います。ほかのアーティストのインタビューを読んだら“全然違う…”って(笑)。
― あはは! スコット・イアンに初心者へのアドバイスを聞いたら“練習しろ!”のひと言でしたよ。
reiki へぇ、でもそうっすよね。でも“練習って何すりゃいいんだよ”って。
― 教則本とか読んだり。
reiki いや~、それはできなかったっす(笑)。
― reikiさんのようなスタイルはめちゃめちゃ面白いですね(笑)。
reiki でも、上手い人の動画は見てました。たぶん、ガキながらに演奏の上手い下手はわかってたと思うんですよね。
― 専門学校に通うとかでもなく、完全に現場で磨き上げていったと。
reiki 磨き上げたというとカッコよく言い過ぎですけど、学校にも通ってなかったんで。それはそれでちゃんと通ってればよかったなと今になって思います。
― そのぶん現場で経験を積み重ねてたということですから。でも、10代という若さでライヴハウスに出入りしてると周りの大人からナメられたりしませんでしたか?
reiki それが嫌で、噛みつきまくってましたね。まあ、僕も態度が悪かったんじゃないですかね。何か言われたら“ん、何だ?”って。
― 当時はどんなギタリストになりたいと思ってましたか?
reiki hideさんもそうですし、リンプ・ビズキットのウェス・ボーランドが大好きで。僕は人を驚かせることが好きだから、ああいうびっくり箱みたいなギタリストになりたかった。
― プレイはもちろん、ビジュアルも含めたパフォーマンスに惹かれていたと。当時は、プレイよりもパフォーマンスで魅せたいタイプだったんですか?
reiki 今はプレイでも感動させたいですけど、当時はそうだったかもしれない。存在として見せていきたいっていう気持ちが大きかったです。
― となると、他のギタリストと同じにはなりたくない、みたいな意識も強かったんでしょうか。
reiki それはめっちゃありました。奇抜なパフォーマンスをしてナンボだと思ってましたね。
― そのせいで怒られたり(笑)。
reiki そうです。乗ったらダメなところに乗ったり、水を吹いたり、ドラムにダイブしたりして、そのたびにライヴハウスには怒られてました。
― では、演奏面で影響を受けたギタリストはいますか?
reiki 演奏面だとウェスもそうですし、あとはPay money To my PainのPABLOさん。ストーリー・オブ・ザ・イヤーも聴いてました。
― 今はちゃんと練習をしているんですよね?
reiki 最近はやってます。音で感動させたいので。
― どういう練習をしていますか?
reiki メジャースケールをなぞって指を動かす基礎練習をしたり、好きな曲を流しながらその場で浮かんだフレーズをスケールに合わせて弾いたり、ギターには常に触るようにしてますね。ほかにいい練習方法があれば教えてほしいです(笑)。
写真:American Series Virtuoso™ HT
キズ
2017年結成。メンバーは、来夢(Vo,G)、reiki(Gt)、ユエ(Ba)、きょうのすけ(Dr)。2017年に池袋EDGEで初ワンマン〈1st ONEMAN「失敗」〉を開催。5月に1stシングル「おしまい」をリリース。同年秋には初の主催ツアー〈共喰イ〉を行う。2018年5月、恵比寿LIQUIDROOMにて行われた〈3rd ONEMAN「怨ミ晴ラサズオクベキカ」〉のチケットが即完。その後も強烈なパフォーマンスと話題性で注目を集め、着実にファンを獲得していく。2021年、結成4周年企画としてYouTubeで動画企画「一撃」を配信し、ガラ(メリー)、逹瑯(MUCC)、NOBUYA(ROTTENGRAFFTY)、大森靖子、SHINといったアーティストたちと共演。2024年、上海や台北を含むアジアツアー〈キズ ASIA TOUR Bee-autiful World〉を開催。2025年1月には初の日本武道館にてライヴを行う。4月9日に新曲「R/E/D/」をリリース。
ーRELEASEー
2025.4.9 RELEASE
LIVE DVD『キズ 単独公演「焔」2025.1.6 日本武道館』
【完全生産限定盤】
DMGD-042/043 [DVD+CD] ¥18,000(tax in)
*オリジナルBOX仕様
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[DISC-1 DVD] キズ 単独公演「焔」2025.1.6 日本武道館
[DISC-2 CD] SINGLE「R/E/D/」
【通常盤】
DMGD-044/045 [DVD+CD] ¥7,700(tax in)
[DISC-1 DVD] キズ 単独公演「焔」2025.1.6 日本武道館
[DISC-2 CD] SINGLE「R/E/D/」
[キズ]
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