TSUBASA(Paledusk) SPECIAL INTERVEW(後編)

7月 9, 2024

メタルコアの新世代を代表するバンドとして、めきめきと頭角を現してきた福岡の4人組、PaleduskのギタリストTSUBASAのスペシャルインタビュー。後編では、現在開催中のヘッドラインツアーの手応えに加え、来年、結成10周年を迎えるバンドの今後の展望についても語ってもらった。

 

ギターキッズからこの人のギタープレイが好きと言ってもらえるようなギタリストになりたい

 

現在、Paledusk2月にリリースしたEPPALEHELL』をひっさげ〈LOVE YOUR PALEHELL JAPAN TOUR〉の真っ最中ですね。

 

4月から国内を廻っているんですけど、いい感じです。今回は、けっこういろいろなところに足を運んでいるんですけど、初めて行くところもあるのでわくわくしています。〈LOVE YOUR PALEHELL JAPAN TOUR〉のファイナルシリーズが7月12日の大阪公演から始まるんですよ。今現在のPaleduskに僕らはすごく自信を持っているので、足を運んでもらえれば、素晴らしい体験を提供できる確信があります。ファイナルシリーズももちろんですけど、その後に控えているフェスにもぜひとも遊びに来ていただけたらと思っています。

 

― 3年ぶりにリリースした『PALEHELL』では、ジャンルのボーダーレス化がより一層進んだ印象がありました。

 

確かに。結成から9年経って、Paleduskはもう何でもありになってきましたね。始めた当初はザ・モダン・メタル、Djentっていう感じでしたけど、やっぱり2017年にDAIDAI(Gt)が加わったことが大きかったかな。2019年に『VARIED』というEPをリリースしたタイミングから、どんな曲をやってもPaleduskの音って言えるというか。『PALEHELL』も最新型のPaleduskとして、最高の形になったと思います。「TRANQUILO!」っていうすごいスピーディなメタリックなリフの曲もあれば、「PALEHELL」のようなストレートなロックチューンもあって。「PALEHELL」なんて、僕はライヴでパワーコードしか弾いていませんからね(笑)。もともとあった「PALE HORSE」をリメイクした「SUPER PALE HORSE (feat. CVLTE)」も面白い楽曲だと思います。個人的にかなり好きですね。

 

結成から9年。バンドは今、どんなところまで辿りつけたと思いますか?

 

もちろん、まだまだ道半ばではあるんですけど、知名度が上がってきたという手応えはあります。5月に〈COMING KOBE24〉に出演させてもらったんですけど、“今日、Paleduskを初めて見る人?”ってカイト(ヴォーカル)の問いに、手を挙げて答えてくれた人達が3割ぐらいいたんですよ。他にもたくさんのバンドが出演している中、僕らの曲や名前を耳にして、興味を持ってくれた人が足を運んでくれたのかと思うと嬉しい限りです。ほぼ満員と言えるくらいお客さんがいて、そういう光景は4〜5年前だったら全然考えられなかった。海外のフェスでも同じようなことが言えるんですけど、そんな風に初めて見る人たちの心に少しでも残ったらいいなと思うし、そういうライヴがやれているという自負もあるんですよ。

 

― Paleduskは海外ツアーにも意欲的に取り組んでいますね。

 

ええ。そう言えば、ポラリスと廻らせてもらった前回のヨーロッパツアーは、すっごい過酷だったんです。一か月でライヴが28本というスケジュールだったんですけど、演奏がめちゃめちゃ上手いポラリスのライヴを見ながら、自分たちがより良い演奏をするために、いろいろ学ぶという意味ではいい経験になりました。それを経た上で今、日本のツアーを廻れている。さらに一段、進化したPaleduskを見せられるツアーになっていると思います。

 

Tsubasa D

 

今後、どんなバンドになっていきたいですか?

 

千里の道も一歩からの精神で、少しずつ少しずつ頑張ってきているバンドなんですよ。常により良い音楽をアウトプットしていくのは変わらずにですけど、来年結成10周年という節目を迎えるので、より多くのお客さんにリーチして、Paleduskを好きな人を増やしていきたいです。僕たちがもっと頑張って、言葉を選ばずに言うなら売れて、メタルな楽曲がより一般層にも届くような架け橋になれたらと思いますね。そのボーダーを越えるための1曲としても「PALEHELL」という作品は入り口としてちょうどいいんじゃないかな。シャウトもしているんですけど、コード進行はどストレートでギターロックの要素もある。この楽曲のギターは、さっきも言ったように僕のフレーズに関しては全然難しいことをしていない。なので、Paleduskのギターをコピーしてみたいという人には、「PALEHELL」の僕のパートがまずはオススメです。ギター歴1年でもたぶん弾けると思いますよ。

 

ギタリストとしてはどうなっていきたいですか?

 

ペリフェリーのミーシャ・マンソーとか、AKIHIDE(佐藤彰秀)さんとか、自分にとって憧れのギタリストが存在したように、ギターキッズから“この人のギタープレイが好き”と言ってもらえるようなギタリストになれたらいいですね。もちろん、自分のシグネイチャーモデルを出せるようなギタリストにもなりたいです。それは、いろいろなギタリストが夢見ることだと思いますけどね。

 

最後に、ギタービギナーにアドバイスをお願いします。

 

ギターを弾き始めて、最初に何をしたらいいかわからない人は多いと思うんですけど、やっぱり基礎はめちゃめちゃ大事だと思います。例えば速弾きしているんだけど、ビブラートやチョーキングが全然ダメな人とか、バッキングしながら1個1個のコードを鳴らすストロークのスライドが上手にできなくて、不要なノイズが鳴ってしまう人がけっこういて。そういうところって、ある程度慣れてしまってからでは直すのが難しいんですよね。だから、最初は基礎を徹底的にやる。正直、楽しくないかもしれないけど、基礎をやりながらその合間に好きな楽曲をコピーしてみる。やっぱり、好きな楽曲をコピーするのが一番楽しいですからね。それに、“あ、俺この曲弾けるんだ”っていうのはモチベーションにもなりますしね。YouTubeで上手な人のプレイを見ながら練習するのもいいと思うんですけど、実際に習いたいという人もいると思います。そういう時はギター教室に通ってみることも一つのやり方なのかな。僕もギターを始めてしばらくしてからギター教室に通ったんですよ。そこで学んだことは、かなり大きかったと思います。ビブラートとチョーキングをていねいに教えてもらったおかげで、Paleduskではバッキングを担うことが多いですけど、表情豊かにリードフレーズも弾けたりするんですよ。それともう一つ。音がいいとテンションが上がると思うので、コスパのいいマルチエフェクターが1個あったらいいと思います。今、機材もどんどん進化していて、ビギナーの子たちの手の届く範囲でもかなりいい機材があると思いますから。

 

Tsubasa E

PRO PLUS DINKY® DK MODERN EVERTUNE® 7

 


 

Paledusk

KAITO(Vo)、DAIDAI(Gt)、TSUBASA(Gt)、BOB(Dr)によるロックバンド。2015年より本格的にライヴ活動を開始。同年6月に1st EP『obsidian』をリリース。2017年、ペリフェリーの来日公演にてサポートアクトを務める。2019年から海外での活動も精力的に行い、スペインやドイツなど大型フェスにも多数出演。2024年7月より〈Paledusk pre. LOVE YOUR PALEHELL FINAL SERIES〉を全国5ヶ所にて開催。ファイナルは8月2日(金)福岡BEAT STATION。