ERIKA(Little Lilith)SPECIAL INTERVIEW(前編)

8月 21, 2025

世界でも類を見ないガールズジェントバンドLittle LilithのギタリストERIKAは、音楽専門学校でギターを始めたという遅咲きながら、今や地道な努力で獲得した技巧を駆使し、世界で活躍するギタリストとして君臨している。そんな彼女にAmerican Series Virtuosoを手にしてもらい、インプレッションを語ってもらった。

 

American Series Virtuosoは自分がイメージしていたジャクソンの王道の音

 

― まず、音楽との出会いから聞かせてください。

ERIKA 最初に触れた音楽は、子供の頃のハロー!プロジェクトですね。ミニモニ。世代でした。お母さんにミニモニ。みたいな服を作ってもらって、テレビの前で一緒に踊ってました。バンドだと、ポルノグラフィティとL’Arc~en~Cielをアニメとかを通じて最初に聴きました。

 

― 初めてのライヴ体験は、高校生の時に観たポルノグラフィティだそうですね。

ERIKA はい、そこで衝撃を受けました。“これがバンドのライヴなんだ”って。見るよりやるほうが楽しそうだと思って、楽器に興味を持ったきっかけになりました。

 

― 初めてのライヴで、“うわあ、すごい! このバンド、好きだ!”ってなるのはわりと一般的だと思うんですけど、“楽器弾きたい!”まで至るのは相当な衝撃ですよね。何がそんなにすごかったんですか?

ERIKA 横浜スタジアムのライヴだったんですけど、お客さんの一体感とバンドの熱さがすごくて、客席から見ていてこんなに感動するってことは、ステージからの景色ってもっとすごいんじゃないかって想像しちゃって、それを浴びたいと思ったんですよね。

 

― なぜ、数ある楽器の中からギターを選んだんですか?

ERIKA まず、ヴォーカルは絶対嫌だった。

 

― 目立ちたくはないっていう。ミニモニ。は踊ってたのに(笑)。

ERIKA そう(笑)。家では元気なんですけど…。

 

― 内弁慶だったと。

ERIKA そうです。外に行くとお母さんの後ろに隠れてるような、あんまり自分を出せないタイプだったんです。だから、ヴォーカルは荷が重いなと。あと、当時は女性のベース、ドラム、キーボードがいる有名なバンドはたくさんいたけど、ギターで目立っている女性を知らなくて。それで、女性がギターを弾いてたらめちゃくちゃカッコいいのにと思って、“私が弾こう”って。

 

― 誰もやってないなら自分が、と。それって目立ちたい人の発想ですよね。

ERIKA 本当はそう思ってたんだけど、それを外に出す術がなかったんですよね。で、一度ステージに立ってみたら違う自分が出てきた、みたいな。だから、本当は自分を出していきたい人間なのかもしれないっていうことをギターを通じて知りました。

 

― では、ギターを弾きたいと思ってからまず何をしましたか?

ERIKA そのライヴを見てからギターを買いに行きました。でも、買ったはいいけどそこからどうしたらいいのかわからなくて、そのまましばらく置いておきました(笑)。

 

― そうなりがちですよね。ギターを買いに行った時はどういう基準で選んだんですか?

ERIKA 自分の好きな見た目のものを選ぼうと思っていて、当時、L’Arc〜en〜CielのKenさんがすごく好きで、Kenさんが使っていた赤いギターに似ている色で、自分でも買えるもの、という基準で選んだのがスクワイヤーのStratocasterでした。

 

― では、しばらく冷めていたギター熱はどこで再燃したんでしょう。

ERIKA 高校の卒業が近くなると、進路の話になるじゃないですか。そこで、他に興味あるものもないし、音楽の学校に行きたいと思って、いろいろと学校を調べて、オープンキャンパスにも行きまくって、音楽専門学校に入学しました。

 

― ということは、専門に入ってから初めてギターを学び始めたんですね!

ERIKA はい、Cも弾けないくらいの状態でした。でも、私が通っていた学校には入学前から授業を受けられるシステムがあって、3回か4回授業を受けたら1単位もらえたんです。だから、高3の夏休みから学校に通い詰めて、そこで最低限弾けるようになりました。

 

2年間で上手くなりました?

ERIKA 私が通っていた学校はクラス分けがないので、上手い生徒も下手な生徒も全員一緒に授業を受けるんです。だから、最初はちょっと挫折しそうになったんですけど、自分で決めたことだし、専門学校だけはちゃんと通おうと決めていたので、なんとか弾けるようになりました。

 

― 個人ではどんな練習をしていましたか?

ERIKA 授業の復習とか基礎練習が多かったですね。特に、基礎練習に関しては強く学校から言われてたので。あと、課題曲もたくさんあったので、それを弾いたり。しかも、課題曲のジャンルがけっこうバラバラで振り幅が大きかったんですよ。そのおかげでいろんなジャンルを吸収できたところはあるし、全然苦じゃなかったですね。元々、私は何も弾けなかったから、何をやるにしても楽しくて。今、私も専門学校でギターを教えているんですけど、プライドが高い子もけっこういるんですよね。“自分はこれしかやりたくない”みたいな。でも、当時の私は何もなかったから全部やったし、“何でも吸収したい”という気持ちだったのが逆に良かったのかもしれない。

 

― 初心者だからこそちゃんと基礎練習をやらないといけない。学校の授業もあるし。

ERIKA そう、やらないと追いつけない。だから、授業に出て、教えてもらって、家で復習するっていうことの繰り返しでした。好きなことをやるというよりも、“ついていかなきゃ!”みたいな。

 

― 今振り返ると、基礎練をしっかりやっていたことは大きかったと思いませんか?

ERIKA 大きかったと思います。自分はバンドだけじゃなく、サポートの仕事をしたり、教える立場でもあるんですけど、コードワークがわからない人や譜面が読めない人をよく見るんですよ。たぶん、学生の時に好きなことだけをやってたら私も知らなかったことだし、今になって“これ、やっといて良かった”と思うことはいっぱいあります。

 

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― さて、ジャクソンの存在を知ったのはいつですか?

ERIKA ギターを始めた専門学生ぐらいの時から知っていましたけど、メタルギターなイメージがめっちゃありましたね。

 

― さまざまなギターを弾いてきて、なぜジャクソンにたどり着いたんでしょう。

ERIKA 新しい7弦を探していた時に展示会に招待していただいて、そこでたまたま“ぜひこれを使いたい!”という出会いがあったんです。

 

― 初めて弾いた時はどうでしたか?

ERIKA 赤いギター限定でいろいろ弾かせてもらったんですけど、いい意味でイメージそのままな部分と、“メタルじゃなくても弾ける、バランスのいいギターもあるんだ”っていう新しい良さも知りました。

 

― 以前から使用しているPro Plus Series Dinky MDK HT7は、どんなところに魅力を感じましたか?

ERIKA 最初は見た目がドンピシャ過ぎて。しかも7弦だったので、すぐに“これを弾かせてください!”ってなったんです。Little LilithはダウンチューニングでG#まで落としていて、ジャンル的にもチューニング的にも音作りが難しくて悩んでたんですけど、このギターは、7弦ってだけでも音をまとめるのがすごく難しいのに、音を鳴らした時にバランスよく欲しい部分が出ることに感動して。7弦をダウンチューニングしても散らばらないんです。これまでは音がボワーンとなるのが悩みだったけど、このギターははっきり前に出てくれる。クリーンも、ハイゲインのギターだとちょっと歪みが混ざっちゃって汚いイメージがあったんですけど、このギターはキレイ。こういうギターをずっと探していたので感動しました。

 

― デザイン的にはいかがですか?

ERIKA こんなデザインはこれまで見たことがなかったので素敵だと思います。赤いギターはいろいろあるけど、この黒いラインはかなり目を引くデザインですよね。

 

― 今回試奏していただいたギターはAmerican Series VirtuosoRocket Red)です。印象はいかがでしたか?

ERIKA これはもう、自分がイメージしていたJacksonギターの王道な音です。メタル、ハードロック的で骨太な印象です。クリーンも綺麗なので他のジャンルにも使えると思うけど、私は思いっきり王道メタルで使いたいですね。あと、アームがあるところがいいです。見た目はMDK HT7とはまた全然違う赤で、キラキラしています。7弦のほうはマット、こっちはツルツルでキラキラ。ステージ映えしそうな見た目です。

 

― やっぱり、デザインも重要ですか?

ERIKA 赤いギターを使いたいというこだわりはめちゃくちゃ強いので、かなり重要ですね。でももちろん、赤なら何でもいいというわけではないんですけど、赤くなかったら使いたくないと思うくらいこだわりがあります。

 

― では、ERIKAさんにとってジャクソンの魅力は何ですか?

ERIKA パワー感が一番だと思います。今回、American Series Virtuosoを弾いてみて、改めてパワフルさを感じました。でも、MDK HT7みたいにモダンな演奏で使えるものもあるし、ギターによっていろんな顔がある。でも、どれもパワーがあるし、見た目もいかつくて“強そう!”って感じが魅力だと思います。

 

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American Series Virtuoso

 


 

ERIKA

専門学校からギターを始め、さまざまなバンドやアーティストのライブで活躍。自らが所属するガールズジェントバンド「Little Lilith」ではヨーロッパツアーを成功させる。文学的青春パンクバンド「太田家」のギタリストとしても活動中。ソロギタリストとして楽器フェアやホロライブのARライブにも出演。他アーティストサポート、レコーディング、専門学校講師やモーションアクターなど多岐に渡り活躍している。2025年12月28日2025年12月28日(日)渋谷WWWにてワンマンライヴ〈Little Lilith 4th Anniversary ONEMAN LIVE「RUIN」〉を開催。

https://littlelilith.com/

https://erika-guitar.com/

https://youtube.com/@erikaofficial?si=noCbsekauiftnhP7

http://instagram.com/erika_gt225

https://x.com/erk_gxrx9