Yas Nomura SPECIAL INTERVIEW(前編)
10月 29, 2025
前回、当サイトのインタビューに初めて登場したYas Nomuraはその後、さらなる躍進を果たした。HYDEのツアーに引き続き帯同するだけではなく、AIからも声がかかり、彼女のツアーへ今年始めて参加を果たす。さらに、昨年はデレク・シェリニアンとロン・“バンブルフット”・サールが中心となって結成されたWHOM GODS DESTROYにベーシストとして加入するなど、世界中を駆け回っている。前編となる今回は、南米帰りの彼をつかまえ、ジャクソンの新製品であるAmerican Series Rhoads RR24などのインプレッションについて語ってもらった。
PR動画を見て、速攻で本国のアーティストリレーションの担当者に“I need one of these!”ってメールしました(笑)
― 前回のインタビューが行われたのは約3年前の2022年でした。この3年はYasさんにとってどういう時間でしたか。
2023年はHYDEさんの国内ツアーに参加して、2024年はベースで参加しているWHOM GODS DESTROYでアルバムを出して、今年はAIさんのツアーもやらせていただいてます。みんなそうだと思いますけど、コロナ禍からは脱出した感じはありますね。
― この期間、さまざまな経験を経て考え方など変わった部分はありますか?
キャリア的に、自分の音楽をもっとやらないといけないっていうのは思いますね。バンドでも何でもいいんですけど。
― それは、さまざまなアーティストのサポート仕事が増える中で、自分の軸を作ることが大事になってくる、という考えからですか?
それがめっちゃ大事だと最近は思いますね。いちアーティストとして自分の曲、自分のアルバムを作らないとなって。
― でも、元々Yasさんはスタジオミュージシャンになりたかったんですよね?
そうですね。でも、一緒にやればやるほどアーティストの方々はすげえなって思うし、自分とは全然別の場所にいらっしゃるんですよね。特にHYDEさんもAIさんもトップアーティストなんで。そういう姿を見て自分も何かやらないとって。このままじゃいけないと思うし、最近はそればっか考えてますね。
― WHOM GODS DESTROYはまた違うんですか?
ベースは本業ではないんで。それはそれでやりたいことではあるんですけど、みんな忙しいし、まだライヴを1本もやってないんですよ。このバンドもさすがに来年ぐらいには何かやりたいですね。
― では、その話はまた後ほどお聞きします。そもそも、ジャクソン側からYasさんに初めて連絡があったのは今から3年半前のことです。今や付き合いも深くなってきてるんじゃないですか?
そうですね。自分がギタリストとして表舞台に出るきっかけになったのがその時に撮った動画で、それを見てくれた人がけっこういるんですよ。それ以降もいろいろと露出させていただいていて、すごくありがたいです。
― 周りの友達が動画を褒めてくれた、と前回おっしゃってましたね。
日本でもライヴハウスで話しかけられたり、自分のことを知ってくれてる人が増えた印象はあります。
― 前回のインタビューでは、ジャクソンは80年代のシュレッド系のイメージ、というお話をされていました。あれからたくさん使い込んでいる今、ジャクソンに対するイメージは変わりましたか?
けっこう変わりましたね。ブランドン・エリスとか、けっこうモダンなギタリストが使ってたりするし。
― その後、弾き込んでみていかがですか?
めっちゃ弾きやすいし、弦高とかネックがよくできてますよね。ちゃんとしたギターじゃないと弦高を下げた時に(音が)ビビっちゃうんですよ。それはギターを選ぶ時、特にシュレッド系というか、メタル/ロック系のギターの場合は絶対に大事になってくるんですけど、Soloist(American Series Soloist SL3)はそういうところがちゃんとしてます。あとは、チューニングの安定性もいいですね。
― 世界中をツアーする上で、頑丈であることが大事、とおっしゃるギタリストも多いです。
それはマーティ(・フリードマン)さんも言ってましたね。確かに、めっちゃ頑丈だと思います。俺がいただいたギターもここ3年ぐらいツアーで使ってますけど、傷が増えて見た目がすごいことになってるだけで、楽器としては何も問題なく使わせていただいてます。

― では、今回はさまざまなギターのインプレッションを教えていただきたいと思います。
この8弦(Concept Series Limited Edition DK Modern MDK HT8 MS)はめっちゃいいと思います。ジャクソンはこれまで8弦を出していらっしゃらなかったと思うんですけど、ちょうど8弦が必要になったタイミングでこれが出て、めっちゃいいなと思いました。あとは、7弦のV(American Series Rhoads RR24)は黒がカッコいい。
― American Series Rhoads RR24に関しては、最初から惹かれていたそうで。
最近公開されたPR動画を見て、速攻でマイク・テンペスタっていう本国のアーティストリレーションの担当者に“I need one of these!”ってメールしたら、“Yes, you do.”って返ってきました(笑)。
― あはは! どこに惹かれたんですか?
そもそも俺、Vを持ってないんですよ。あと、今ツアーで使ってるのもAmerican Seriesなので、絶対にいいだろうなと思って。
― 先ほど試奏されていましたけど、いかがですか?
めっちゃ良かったですね。ネックがSoloistとほぼ一緒な感じがして、めっちゃ弾きやすいです。アンプでも弾かせていただいたんですけど、めっちゃいい感じです。Matte Army Drabはネックがサラサラしてて良かったですね。
― ネックのスペックはSoloistと同じだそうです。
たしかにめっちゃ手に馴染むし、一緒な感じがしました。
― アメリカでこだわって作っているということで音が安定しているそうです。あと、American Seriesに共通しているのはLuminlay(蓄光のポジションマーク)ということで。
それはめっちゃ大事だと思います。
― あと、Yasさんが使っているSoloistからアップデートされている点としては、フレットがニッケルからステンレスになっていると。そのほかの仕様は同じだそうです。それを踏まえた上で、Soloistとはどんな違いを感じますか?
まず、普通にシェイプがカッコいいしライヴ映えしますね。まあ、座ったら弾きにくいとは思うんですけど、立って弾く時はカッコいいと思います。
― Yasさんは、ギターを選ぶ上でビジュアルはどれくらい重視するんですか?
めっちゃ重視しますね。音は絶対に必要なんですけど、色や形がダサかったらそもそも惹かれないから、弾こうっていう気持ちに最初からならないかもしれない。逆に見た目がカッコ良かったら弾こうって気になります。弾いてみてあまり良くなかったら、それはそれでっていう。

(左)AMERICAN SERIES RHOADS RR24 HT
(右)AMERICAN SERIES RHOADS RR24
Yas Nomura
2007年、14歳の時にギターを始める。翌年、2008年、音楽専門高等学校、東京自由学園(現・東京自由学院)に進学し、テクニック、アンサンブル、音楽理論などを学ぶ。2011年、高校を卒業後、1年間、ギタリスト菰口雄矢氏に師事。翌年、2012年、19歳の時、アメリカ、ロサンゼルスに単身で移住、Musicians Institute Hollywood校に入学し、Allen Hinds、Scott Henderson、Dean Brownを始めとするLAのプロミュージシャンから音楽を学ぶ。2014年、MI在学中にベースを独学で弾き始める。
2014年にMIを卒業後、プロギタリスト/ベーシストとしてのキャリアをスタートさせる。2019年には自身のバンド、The Resonance Projectのファーストアルバムをリリース、同年にはギタリストとしてHyde (L’Arc-en-ciel)の全米ツアー(全35公演)にも参加。ベーシストとしてはMateus Asatoのサポートメンバーとして2019年のアジアツアーに参加。2023年からはアメリカ出身のプログレッシヴメタルバンドWhom Gods Destroyでも活動を行っている。2022年11月にThe Resonance ProjectのシングルとそのMVがリリース、2023年には2ndアルバム『Ad Astra』をリリース。
https://www.instagram.com/yasnomuramusic/
https://twitter.com/yasnomuramusic
― ビジュアルが気に入った上で、音の良し悪しの話になるんですね。
そうです、女性と一緒ですね(笑)。
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